新刊

鈴木忠志と利賀村 -世界演劇の地平へ- A5 | 233 | /定価:1,980円(税込)

コロナ禍は時間と空間を共有する演劇の存在そのものを奪ったが、その中で、ほとんど唯一と言ってもいい、富山県利賀村に本拠をおく劇団SCOTは広大な演劇空間で講演を続け、“激甚災害"を乗り切った。演出家・鈴木忠志が東京から600キロ、雄大な大自然に包まれた過疎村に創造の場を求めたのが今から40数年前、かつて「富山に過ぎたもの」として、その筆頭にあげられた劇団SCOTと利賀村の出会いは、いまや国や民族を超えた普遍的な問題を提示する「世界演劇の地平」となった。それを「奇跡」という言葉で括るのは的を得た表現ではないことを十分承知しながら、地元・富山に在って、その存在を見続けた筆者らにすれば、この40数年は、まさしく「奇跡の軌跡」としか言いようがない。 鈴木忠志のあらたな挑戦を知るために、これからも利賀村へ通いつづけるだろう。

2021年3月10日 | ジャンル:<014>その他