地域出版への取り組み
当社は約30年前に出版部門を創設以来、「次代へ、心の遺産をー」をコンセプトに出版活動を展開、地域文化の発展に貢献してきました。その歩みをかんたんにご紹介します。
1974年-石川県航空写真集の発行
県内全域に飛行機を飛ばして航空写真を撮影。1冊25,000円という高価な本でしたが、限定販売した1000部を完売。図書館協議会の推薦図書にも選ばれました。当時の自治体はどこも自前で撮影した航空写真を持っておらず、この写真を利用して、市勢要覧や町勢要覧を数多く手がけることになりました。ここで自治体との接点が増え、自治体史なども数多く手がけるようになりました。
1977年-月刊誌『コミュニティジャーナルいしかわ』のスタート
金沢のタウン誌の先駆け的な存在で、硬軟取り混ぜた内容が話題になりました。雑誌の発行は、人を育て、様々な出会いの場を提供してくれました。ここから、『能登・人に知られぬ日本の辺境』『写真集・旧制四高青春譜』『石川写真百年・追想の図譜』といった能登印刷出版部の創成期を代表する本が生まれました。
『能登・人に知られぬ日本の辺境』(パーシヴァル・ローエル著、宮崎正明訳)
明治25年、能登を訪ねたアメリカ人の旅行記。人力車で、舟で見た百年前の日本の姿が生き生きと描かれています。日本翻訳文化賞を受賞しました。
『石川写真百年・追想の図譜』
写真のもつすぐれた「語部」としての価値を生かし、石川の近・現代史を考える資料として後世に伝えようとの願いから企画。多くの反響をいただきました。長く絶版になっていましたが、21世紀を迎えた後、新たな写真を加えて再編集を行い、求めやすい廉価版として『20世紀の照像 石川写真百年・追想の図譜 改編版』を発行しました。
1987年-『石川近代文学全集』刊行スタート
当社の出版活動の集大成ともいえる『石川近代文学全集』(全19巻+別巻1)は、当社の創業80周年記念事業としてスタート。約10年の歳月を経て、1998年に完成しました。