「加賀百万石」のフレーズは、加賀藩前田家の財力や藩によって育まれた美術工芸などの「歴史文化」を示す象徴的な表現であり、一方で誘客キャンペーン等でも見られるように、今日の石川や金沢を代表するイメージでもある。しかし、その実態や経緯は必ずしも江戸時代につながるものではなく、多くは近代(モダン)のさまざまな背景を得て成り立っているものであることが多い。加賀百万石の「記憶」がどのような「伝統」イメージをまとい、さらに地域の近代認識をいかに形づくっていったのか、興味深いエピソードに即して紹介する。
2019年4月10日
| ジャンル:<006>歴史・民俗