新刊

アメリカ映画に見る黒人ステレオタイプ 改訂増補版 A5 | 272頁 | /定価:1,980円(税込)

ステレオタイプとは、「負の定番キャラクター」「ネガティブに誇張されたイメージ」のこと。2015年の初版以降、アメリカ社会は大きく変動していますが、現在もなお「ヘイトクライム」や銃による犯罪は、多発しています。この暗部の底に「ステレオタイプ化して異人種を見る姿勢」があることは間違いないでしょう。改訂版の本書もまた「現在進行形のアメリカ社会を映し出すアメリカ映画」を、改めて見直す一つの方法を提供します。

本書の構成を紹介しましょう。

「基礎編」 第1章で、アメリカに奴隷制があったころから存在した「ミンストレル・ショー」(大衆向けのライブショー)について紹介。ミンストレル・ショーに登場した定番黒人キャラ「アンクル・トム」「マミー」「クーン」は、あとから加わった「ムラトー」と「バック」をあわせて、いかに5大黒人ステレオタイプを形成してきたかを解説します。第2章では、映画誕生のずっと前からあった、こうした黒人の「負の定番キャラ=ステレオタイプ」がアメリカの実社会、文学作品、映画、アニメ等において、どのように引き継がれ、“洗練”されていったか―その歴史をたどります。改訂版では、2015年から2022年までの最新情報を加筆しました。

「演習編」 改訂版では話題の2作品(『ゲット・アウト』『ブラックパンサー』)を加え、全15作品を6つのテーマに沿って分析します―第3章「アメリカ人にとって黒人大統領は恐怖か希望か?」第4章「マジカル・ニグロは超能力者か?」第5章「黒人映画ブームの遺産とは?」第6章「小説を映画化すると主人公は白人に!―ハリウッド的思惑とは?」第7章「宇宙人の顔をした非白人とは?」第8章「トランプ時代への警鐘を鳴らす、格闘する黒人とは?」(扱う映画タイトルは、「もくじ」参照)。

2022年12月26日 | ジャンル:<006>歴史・民俗